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ナガエツルノゲイトウ(特定外来生物)について

南米原産の外来水草が、日本国内で拡大しています。見分け方と、発見したときの安全な対応をわかりやすく解説します。

基本ポイント(まず読んでほしい3つ)

  1. ナガエツルノゲイトウは「特定外来生物」に指定されており、生きた個体の栽培・保管・運搬・譲渡・放出が法律で禁止されています。
  2. 茎や根の断片から再生する強い繁殖力があり、刈払い等で切ると逆に拡散するおそれがあります。
  3. 見つけた場合は勝手に移動・処分せず、地域の担当部署や農業・水利の関係機関へ連絡してください。

どんな植物?(特徴)

学名:Alternanthera philoxeroides。多年生で茎は長く(0.5〜1m程度)水辺をはうように広がります。葉は対生で倒卵形〜披針形、花は小さな白色〜灰白色の球状の集合花をつけます。水中・陸上どちらでも生育可能で、乾燥や塩分にも比較的強い性質を持ちます。

どんな被害が起きるの?

水路や取水口が詰まり、農業用水の供給や排水が妨げられます。水田に侵入すると収穫を妨げ、機械作業(コンバイン等)も困難になります。自然生態系では在来種を駆逐し生物多様性を損なう恐れがあります。

見分け方(簡単チェック)

  • 長く伸びる茎が道のように広がっている
  • 葉が対生でやや幅広、縁に細かい鋸歯がある
  • 小さな白〜灰白色の球状の花が葉の付け根に見られる(繁殖期)

しかし似た外来種や在来種と間違いやすいため、判断が難しい場合は写真を撮って専門窓口へ相談してください。

見つけたときの安全な対応(絶対に守ること)

  1. 生きた個体をむやみに刈らない・切らない(切ると断片ができ拡散します)。
  2. 写真を撮って、場所(地名・GPSや近隣の目印)とともに自治体や農林・水利の担当窓口へ連絡する。
  3. 地域で駆除協力を行う場合は、事前に自治体や専門機関の指導を受け、拡散防止策(袋詰め、密閉、移動時の流出防止)を徹底する。
  4. 法律で生きた個体の移動・譲渡等が禁止されていることに留意する(枯死個体は除外)。

自治体・相談先の例(連絡時の伝え方)

連絡するときは以下を伝えるとスムーズです:発見場所、発見日時、写真の有無、群落の広がり(だいたいの面積)。

例:農業相談窓口/県の農林振興センター/市区町村の環境・緑地担当窓口

駆除や管理のポイント(専門家向けの概略)

繁茂初期の抜き取りと、給水口にネット設置、除草剤による処理の組み合わせが効果的とされています。刈払いや機械的処理は断片を生じさせ拡散するため慎重に行う必要があります。大規模な群落では専門業者や自治体の一斉対策が必要です。

もっと知りたい人へ(参考)

専門的な防除マニュアルや国の資料が公開されています。地域での対応は自治体によって異なるため、まずは相談窓口へ連絡してください。