ステップ3:子ども観を理解する

カテゴリ: 教育・子育て

子どもが熱心に活動するイラスト、または敏感期を示す円グラフ

「子どもには自ら成長する力がある」

モンテッソーリ教育の根幹にあるのは、子どもの持つ「自己教育力」への深い信頼です。マリア・モンテッソーリは、子どもは大人から教えられなくても、自らの力で環境を吸収し、成長・発達していく能力を持っていると考えました。

🌿 モンテッソーリが示す子どもの姿

  • 吸収する精神(Absorbent Mind):特に0〜6歳までの時期、子どもは意識せずに周囲の環境(言葉、文化、習慣)をスポンジのように吸収し、自己を形成していきます。
  • 内なる教師:子ども自身の中に、今何を学ぶべきかを知っている内的なガイド(羅針盤)が存在します。大人の役割は、この内なる教師の要求に応じた環境を用意することです。

この子ども観があるため、モンテッソーリ教育では大人が「教え込む」のではなく、「手助けはするが邪魔はしない」(Help me to do it by myself)という姿勢を大切にします。


敏感期(言語/秩序/運動/感覚)とは何か

子どもの自己成長力が爆発的に発揮される時期を、モンテッソーリは「敏感期(Sensitive Period)」と名付けました。これは、ある特定の能力を獲得するために、子どもが環境の中の特定の刺激に対して強烈に惹きつけられる一時的な時期を指します。

⏰ 敏感期の特徴と重要性

  • 一時的なもの:敏感期は永遠に続くものではなく、その能力を獲得すると自然に消滅します。
  • エネルギーの集中:敏感期にある子どもは、その能力に関する活動を飽きることなく何度も繰り返します(集中現象)。
  • 習得の容易さ:この期間中に活動に取り組むことで、その能力を努力なく、自然に、かつ完璧に習得することができます。

主要な敏感期とその時期(0〜6歳)

0歳から6歳の間に現れる、特に重要な4つの敏感期を紹介します。

  1. 秩序の敏感期(0~3歳頃)

    場所、時間、習慣などがいつも同じであることに強くこだわる時期。これにより、子どもは外部環境に安心感を持ち、世界が予測可能で安定していることを学び、精神的な土台を作ります。

  2. 言語の敏感期(0~6歳頃)

    周囲の音、言葉、発音を驚異的な速さで吸収し、言葉を習得する時期。特に3歳頃までに爆発的に語彙を増やし、6歳頃には母国語の文法を完成させます。

  3. 運動の敏感期(0~4歳頃)

    歩く、掴む、バランスをとるなど、身体を動かすことに強い欲求を持つ時期。粗大運動から微細運動へと発達し、身体的な独立を目指します。この時期に手を使った活動(教具など)が重要になります。

  4. 感覚の敏感期(0~6歳頃)

    五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を洗練させ、外界の情報を識別・分類しようとする時期。この感覚を磨くために、モンテッソーリの「感覚教育」教具が活躍します。

親の役割:

敏感期を見逃さず、子どもが求める活動ができるよう環境を整え、邪魔せず見守ることが、子どもの潜在能力を最大限に引き出す鍵となります。

✅ 本ステップのまとめ

  • モンテッソーリ教育は、子どもに備わる「自己教育力」を信頼し、大人はその成長を支援する役割を担う。
  • 敏感期とは、特定の能力を容易に習得できる一時的な時期であり、子どもの発達の鍵である。
  • 主要な敏感期には、言語秩序運動感覚などがある。

次のステップでは、敏感期を最大限に活かすためにモンテッソーリが提唱した、家庭でも導入できる具体的な「活動の分野」「教具」について解説していきます。